環境省の研究チームは17日に発表した報告書の中で、世界的な地球温暖化により、今世紀末の日本の年間平均気温が摂氏3.5−6.4度上昇すると予想した。日本が毎年洪水により受ける損失額は、最大で約6800億円に達する見通しで、20世紀末の3倍以上になるという。
研究チームは4種類のコンピュータモデルにより未来の気候変動を予測し、この変化の一部の分野に対する影響を試算し、20世紀末と比較した。
同報告書によると、日本が今世紀末に気候変動により受ける最大の損失は、洪水によってもたらされ、損失額が最大で約6800億円に達する。海面の上昇幅は最大で60センチに達し、日本全国の85%の砂浜が埋もれる。満潮時にもたらされる損失が、さらに増加することになる。
気候変動の健康・農業などへの影響も徐々に表面化する。今世紀末、日本の都道府県で猛暑によって死亡する人数は、2倍以上に増加する可能性がある。
気温の上昇に伴い、テング熱ウイルスを運ぶヒトスジシマカの分布範囲が、今世紀末には国土面積の75−96%に達する(現在は40%未満)。また高山の針葉樹、ハイマツとブナ科の分布面積が大幅に減少し、日本の自然環境に大きな変化が生じる。
同報告書によると、温暖化により日本のイネの収穫量は、今世紀末に最大で現在の1.7倍に達する。しかし質の悪いイネが占める比率が上昇し、本州中部の近畿および九州などの各地で、質の良いイネの収穫量が半減(もしくはそれ以上減少)する可能性がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年3月18日