民衆は新たな税制下での生活にどう対応すべきか?仕事帰りのサラリーマンが立ち寄る東京の居酒屋では、酒のつまみがひと皿100円から108円に、280円だった焼き魚が302円に値上がりした。これまで一皿二皿注文していた酒のつまみもお金をもっと出すか、一皿に減らし質素に生活するしかない。
若者がよく行くマクドナルド。これまで100円だったハンバーガーは120円になったが、20円値引きで100円のまま。他の種類のハンバーガーは値上げされ、100円バーガーだけが元の値段を維持している。値上げで客足が減らないよう店の人気を保つのがねらいだ。
消費税率の引き上げは当然日本人の生活に影響を与え、消費から利益を得る売り手も多くない。消費税率引き上げは、医療、年金、介護、児童福祉などの社会福祉を維持するためだ。日本はこうした方面に年間30兆円を計上し、これからも毎年1兆円ずつ増えていく。消費税引き上げ後は5兆1000億円の税収増が見込まれ、焦眉の急の解決にあてられる。人々が税率の変化を容認しているのもこうしたことがあるからだ。
ただ、消費税の使用に関してはまだ少なくない抜け穴がある。民主党はかつて、自民党を「バラマキ」政党と呼んだが、バラマキ政治を改めない限り、人々が泣く泣く同意した消費税率引き上げも最終的に実益のないものとなる。
企業投資はなお慎重
17年前、橋本龍太郎首相(当時)が消費税を3%から5%に上げた。当時の経済白書は「バブル経済の後遺症から経済の自発的回復に向かわせる」と特に触れ、さらに橋本内閣は「6つの改革 」を打ち出し、行政改革や財政構造改革を進める態勢を示したが、橋本氏の構想は絵に描いた餅だと民衆はすぐに見抜き、橋本内閣は民衆の信用を失って6つの改革もうやむやになった。
安倍首相は増税表明後、「戦略特区」を創設し、固い、岩盤のような日本の規制を改革すると述べた。橋本氏の時に比べると、安倍改革について日本のメディアですら詳細な報道をしていない。安倍首相の重点は、集団的自衛権の問題、価値観外交の推進で、「経済には興味がない」と日本人は指摘する。これは、アベノミクスが日本経済の自発的回復のリズムをかき乱しているだけでなく、日本経済を低迷から脱却させるのは難しいという安倍内閣の本質をはっきり見抜いている。