オバマ大統領の今回のアジア歴訪前に、日本側は世論を盛り上げていた。表面的に見ると、オバマ大統領は日本が仕掛けた罠にかからざるを得ない状況だ。しかしオバマ大統領の意思表示は、ホワイトハウスの日本に対する「激励」を意味するものではない。読売新聞の解読は、オバマ大統領の中米「新型大国関係」の重要性に対する強調、中国の平和的な台頭への歓迎を故意に回避した。
米日同盟は冷戦期に形成された二国間の枠組みであり、保護をする者とされる者の主従関係だ。冷戦終了後、日米同盟は方向を見失い、漂流の状態となった。しかし国際政治の構造が変化し、米国の国力が衰退し、日本の政権が右傾化している今日、日米同盟は再び航路を見出した。安倍首相は、米国と肩を並べる希望を燃やした。
しかしオバマ大統領は上述したインタビュー記事の中で、安倍首相を冷静にさせることを忘れなかった。オバマ大統領は、集団的自衛権に関する質問に対して、自衛隊は米日同盟の枠組み内で、両国の利益に合致する力を発揮できると強調した。つまりこれは安倍首相に対して、米国こそが日米同盟の主導者であり、安倍首相の「衝動」は米国の引いたラインを越えてはならず、米国の利益を損ねることも許されないという意味だ。これは自衛隊を「地球のあらゆる場所」に派遣しようとする、安倍首相の軍事的な野心との間に大きな開きがある。
オバマ大統領と安倍首相は、表面上は一致しているように見えるが、実際には違う狙いを持っている。24日に開かれる日米首脳会談は、罠を仕掛けつつ守りを固めるシーソーゲームになるだろう。
冷戦後の多極化した世界において、日米同盟はアン・リー監督作品『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』に似ている。「敵」は他でもない、自分の船にいるのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年4月24日