機に乗じ世界を騙し、その政治・軍事の「正常化」の陰謀を覆い隠す。これは安倍首相の今回の訪欧の主な目的だ。
欧州はユーロ圏の債務危機を乗り越えたばかりで、ウクライナ危機によるロシアとの安全問題に陥っている。これを受け、EUとNATOのアジア太平洋問題への介入は、遅れざるを得ない状況となっている。軍事費を削減し、世界戦略を縮小している米国が、覇権を維持するため一部の事業を日本に任せていることと同じように、日本はその「正常化」が戦略的チャンスを迎えると判断する可能性がある。日本は中国の平和的な発展に挑発を続け、中国台頭に備える西側諸国の手先になるだろう。
中日の争いは、中国が最終的に平和的に台頭するか否かを探ろうとする、西側諸国の試金石になっている。日本は、中国がシルクロード経済帯、21世紀の海のシルクロードという「一帯一路」戦略を推進する場所に赴き、これを破壊しようとするが、その裏側に米国の支持がないはずはない。知恵により安倍首相の計算を打破するため、中国は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)により、西側諸国の経済ルールの覇権、および安全―価値観統一戦線の時代背景を再構築し、日本との闘争の苦しさと複雑さを認識し、片方の目で日本の右傾化の挑戦に警戒しながら、もう片方の目で西側諸国の協力に警戒し、米・欧・ロとの大国関係を上手く活用し、日本の右翼化のリスクに対処するべきだ。東西から挟み撃ちを受ける局面を回避するため、中ロの上海協力機構における戦略的協力を深化する必要性が高まっている。(筆者:王義桅 中国人民大学EU研究センター主任、国際事務研究所所長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年5月5日