北京で開かれる第3回世界平和フォーラムに出席する鳩山由紀夫元首相は先週末、新華社の独占インタビューに応じ、安倍晋三首相の外交政策や日中関係などについて意見を述べた。意見の要点は下記の通り。
徒党を組む安倍氏
安倍首相は先ほどのシャングリラ会合で「中国脅威論」を流布し、いわゆる「価値観」によって敵と見方を区別すると言いふらし、この出発点に基づき集団的自衛権の問題を議論している。これは「対話」というよりは、徒党を組むと言うべきだ。対話の参与者を好き嫌いで分け、好きな人とだけ協力を交渉するのでは、対話と呼ぶべきではない。価値観の異なる人や国と、対話により価値観の差を乗り越え、共通の利益を模索することこそが、対話の真理である。
安倍政権は「価値観外交」と「自由と繁栄の弧」を喧伝し、中国に対する警戒心と対抗心を煽り、「中国包囲網」を形成しようとしている。これらの動きはむしろ、日本を孤立させるだろう。国際社会は、日本はなぜ他国に集団的自衛権を行使するのか、なぜ武器を輸出するのか、なぜ戦争を起こしやすい道を歩もうとするのか、と疑問を持っている。他国はむしろ、日本こそが脅威であると感じ、日本を包囲し孤立させようとするだろう。
「平和主義」を日本の宝としない安倍氏
真の平和主義は、武力を使用しない平和であるべきだ。いわゆる「価値観」により分類し、異なる価値観を持つ国を脅威とし、共に武器を持ち圧力をかけようとする。これが安倍首相の「積極的な平和主義」の思考回路だ。皆で武器を持ち平和を守るという考えは偏狭すぎる。日本が集団的自衛権を行使すれば、米国のような好戦的な国と戦争に参与し、戦争につながる道を開くことになる。戦争と「平和主義」は、水と火のように決して相容れないものだ。
平和主義は日本が戦後樹立した「ブランド」だ。日本は戦後に平和憲法を制定し、不戦を誓った。この選択は賞賛されるべきだ。軍隊保有の思考回路は、未来を見据える時代の流れに逆行している。最大の問題は、安倍首相らが「平和主義」を日本の宝としていないことだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月18日