環太平洋合同演習「リムパック2014」が6月26日から8月1日にかけて、ハワイ沖で実施される。中国海軍は、米国、日本、フィリピン、韓国、インドなどの22カ国と共に、同演習に初参加する。
リムパックは典型的な米国主催の大規模な軍事行動で、その発展の変化は米国の国家戦略、海軍戦略の調整の変化を反映する。
リムパックは典型的な米国式の軍事・政治「ショー」で、米国のアジア太平洋戦略が強調される。アジア太平洋リバランスが経済および外交の難題にぶつかり、TPPの推進が遅れる中、軍事戦略の調整と軍拡は、米国のリバランスの重要な足がかりになっている。米軍は毎年西太平洋の海域で、多種多様な二国間・多国籍合同演習を数十回に渡り頻繁に実施している。リムパックは、そのうち最大規模の演習だ。米軍はその参加国を大幅に拡大し、演習の「仮想敵国」をも招待した。これは米国のアジア太平洋における軍事力を強調するためだ。またリムパックは、すべての艦艇による大掛かりな海上閲兵式で締めくくられる。その空母が中心となる壮大な光景は、見る者にインパクトを与える。リムパックの象徴的な意義は演習そのものの意義を上回っており、アジア太平洋の主導権を把握しようとする米国の戦略的な決意を宣伝する。
リムパックは、米軍と同盟軍の共同作戦能力を高める。1971年の初実施より、リムパックの中心的な目標は、米軍および同盟軍の共同作戦能力の強化となっている。2000年には、初めて軍事情報システム「CWAN(Coalition Wide Area Network)」による情報共有を実現した。2010年の兵棋演習では、オーストラリアの「JMAP」が、ブルーチームの作戦モデルとして採用された。2012年の演習では指揮体制に大きな改革があり、米軍が指揮権を独占しなくなった。米国は「多国籍共同特別派遣部隊」の司令官、「地上部隊」の司令官になったが、前者の副司令官、空中部隊の司令官は同盟国が担当した。日本海上自衛隊は2014年の演習で、輸送船を使い米国とオーストラリアの海兵隊を輸送する。オーストラリアは対艦ミサイルの防御、上陸作戦などの演習を実施する。韓国海軍の海兵隊も初めて米国に派遣され、米海兵隊と捜索・偵察、都市・ジャングルにおける作戦の訓練を実施する。
リムパックは、各国が自国の利益を求めるための重要な場だ。参加国のすべてが、異なる利益の需要を持つ。米国はアジア太平洋の覇者としての姿勢を示しているが、これは伝統的な同盟を基礎とした上でアジア太平洋版NATOを構築し、最終的にアジア太平洋の安全事業を主導することを目的としている。日韓豪などの国は米国との関係を強化し、自国の軍事能力を強化しようとしている。特に日本はこの機に乗じ、平和憲法の束縛、軍事力の制限から逃れようとしている。カナダ、英国、ノルウェーなどの地域外の参加国は、アジア太平洋事業への参与を強化するほか、経験を学び能力を高めようとしている。フィリピンやブルネイなどの国は、参加そのものの意義を重視しているようだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月23日