福島県のある農業団体が20日、トラックに白い斑点症状が見られる牛一頭を載せて都内の農林水産省を訪れ、2011年の福島原発事故後に一部家畜に見られる症状の調査をするよう要求した。新華網が伝えた。
調査の要求
非営利団体「希望の牧場・ふくしま」の代表者吉澤正巳さんら二人は、トラックに牛一頭を載せて福島を出発し、当日午後に農林水産省庁舎前に到着、牛をトラックから路上に降ろそうとしたところを警察に制止された。
吉澤さんらは同省と関連部門に家畜の白い斑点症状の原因究明を要求した。福島原発事故後、吉澤さんらが飼育する多くの家畜の皮膚に白い斑点症状が見られたが、原因は不明のまま。
60歳になる吉澤さんはハンドマイクを使い、多くの支持者とメディアに囲まれる中、林芳正農林水産相に外に出て症状のある牛を自分の目で確認するよう求めた。
吉澤さんとともに抗議に訪れた松村直登さんは、「こうした症状が人体に見られたらどうするのか。原因を究明し、動物の身体に何が起きているのか知るべきだ」と抗議した。
「希望の牧場」は福島原発からたった14キロ地点の浪江町に位置する。2011年3月11日、原発は大地震と大津波の影響で著しく破損し、大量の放射性物質が漏出、周辺地域の住民は避難を余儀なくされた。避難勧告の解除後、吉澤さんらは捨てられた家畜約350頭を飼育した。