同報告書が羅列した集団的自衛権行使の「6条件」は、自衛隊が口実を設け海外で武力行使するため大きな余地を残している。これには特に警戒が必要だ。例えば(1)の「密接な関係の他国に武力攻撃がある」、(2)の「事態が日本の安全に重大な影響を及ぼす」、(3)の「被攻撃国から明示の要請・同意がある」などは、集団的自衛権の行使が日米同盟のみに限られず、必要に応じて地球のどこでも武力を行使できることを意味する。
同報告書はさらに地域の緊張と隣国の脅威を誇張し、中日の島の係争に関する「グレーゾーン事態」と対策を想定し、東中国海における日米の武器配備、武力に訴える理由を用意した。これは非常に危険な信号で、東中国海の緊張情勢が集団的自衛権の解禁後に激化する前触れであり、戦争が生じる可能性さえ否定されていない。これはまた、軍事面から南中国海問題に干渉する伏線を張っている。
日本は近現代史において、口実を設け人為的に問題を作り、これを拡大させる罪を犯した。甲午戦争(日本名・日清戦争)、柳条湖事件、盧溝橋事件など、中国人は身をもってよく知っている。中国人が受けた屈辱と災いは、筆舌に尽くしがたいほどだ。今の安倍政権は歴史問題で逆行すると同時に、集団的自衛権を解禁させようとしている。中国と国際社会には、日本の動向に警戒を強める理由がある。(筆者:王泰平 中国国際問題研究基金会研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月30日