中日韓の協力のため駆けずり回る筆者を見た友人は、「中日・日韓の二国間関係が悪化する中、3カ国の協力に取り組めるのか?」と心配そうに尋ねるだろう。二国間関係が良好であれば、3カ国の協力は勢いを得て、より良く力を発揮することができる。二国間関係が悪化しているならば、3カ国の協力の柔軟性と多国間枠組みの優勢が際立つ。
3カ国の首脳会談は2012年以降に開かれていないが、3カ国の協力は中断したことがない。3カ国の政府は協力を重視しており、主要な協力枠組みとプロジェクトは推進され続けている。3カ国の国民の、中日韓の協力に対する理解が深まり、参与が拡大している。
筆者には次の3つの経験がある。
(一)3カ国が注目する話題を見つける。中日韓は地震や津波などの自然災害の脅威を重視しており、3カ国の災害管理を巡る協力が大々的に実施されている。環境問題も3カ国に重視されている。3カ国の環境保護協力は15年間続いており、多くの協力プロジェクトが実施された。今年は大気汚染政策の会議が開かれた。
(二)3カ国の共通の利益が多い分野を見つける。中日韓自由貿易区を早期設立し、3カ国の相互補完性を高め、ウィンウィンを実現する。中日韓自由貿易区の会合は4回開かれており、3カ国の投資協定は今年発効した。3カ国間の経済・貿易の利便性を高めるため、中日韓は陸と海の輸送、北東アジア物流情報サービスネットワークの発展で大きな進展を実現した。
(三)友好的な協力プロジェクトを見つける。地理的に近く、文化的にも相似するため、中日韓の文化交流、友好都市、青年交流、メディア交流などは実施しやすい。3カ国間の観光客数は毎年1800万人弱、3カ国間の留学生数は24万人以上、友好都市は約600組に達している。