集団的自衛権の解禁を決定する閣議を控える中、ある男性が29日に新宿駅の外で焼身自殺を図り、安倍晋三首相の解禁の野望に抗議した。
集団的自衛権の解禁が、日本を軍国主義の邪な道に向かわせることは間違いない。良識はあるがこれを阻止できない人々が命がけで抗議した本件には、嘆くしかない。
安倍首相は就任後、右翼の道を狂奔している。集団的自衛権の解禁は、その「使命」の一つに過ぎない。日本政府の憲法9条に対する一貫した解釈によると、日本の集団的自衛権の行使は本国が直接攻撃を受け、反撃を余儀なくされた場合のみ許され、かつ次の3つの条件を満たさなければならない。(1)日本に対する急迫不正の侵害があること。(2)この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと。(3)必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと。この解釈に基づくと、日本は集団的自衛権を行使できず、行使した場合は違憲の疑いがある。
安倍首相の本来の目標は平和憲法の改正であるが、抵抗が強すぎるため、婉曲的な手段を講じるしかなかった。これは憲法解釈の見直しであり、直接改憲せずに目的を実現できる。安倍政権は言葉遊びをし、27日に集団的自衛権の解禁に関する閣議決定の最終案を示した。政権は7月1日にこの最終案を最終的に採決する見通しだ。これは日本が戦後歩んだ平和的な道、「専守防衛」の安保基本国策に、歴史的な転換点が訪れることを意味する。
どのように「粉飾」しようとも、安倍首相は世界の目をごまかせない。日本の多くの憲法学者は、憲法9条を改正しなければ、どのような新しい解釈が加えられようとも、論理的・法的に集団的自衛権と憲法9条の主旨の根本的な食い違いを解消できないと指摘している。これは戦争と平和を同列視できないのと同じだ。米隔月誌『ナショナル・インタレスト』は、「安倍首相による集団的自衛権の行使は、日本の外交の危険な変化だ」と指摘した。
いかに「粉飾」しようとも、安倍首相は圧倒的多数の日本国民を騙せない。毎日新聞が29日に発表した最新の世論調査の結果によると、国民の58%が集団的自衛権の解禁に反対している。71%の回答者は、集団的自衛権の行使が日本を戦争に巻き込むとした。
この男性の命がけの抗議は、極端なやり方により日本の民意を示した。
命はかけがえのないものだが、政策は変えることができる。炎に包まれた男性を見た安倍首相は、何も感じなかったのだろうか?国民の反戦の呼び声に耳を傾け、今からでも遅くないから引き返したらどうだろうか。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月30日