中日韓は、世界経済で最も活力あふれる、人口密度が最も高い東アジアに位置する。東アジアは、地政学が複雑で、地域構造が急激に変化する地域でもある。3カ国の協力は、今後いかに取り組むべきか?筆者には次の考えがある。
(一)先見性を持つ。アジアにおいて、北東アジアだけが正式な地域協力組織を形成していない。3カ国の協力事務局は歴史問題・地域安全問題を巡り議論の場を設け、模索を試みた。3カ国はネットセキュリティ、海洋協力などの分野から、相互信頼関係を構築する措置を検討できる。
(二)実務の重視。中日韓の関係はすでにかつてないほどの程度に達しており、日常生活の隅々にまで浸透している。3カ国の協力の深化は、多くの具体的・基礎的な取り組みの継続が必要だ。3カ国の青少年の交流を強化し、地方都市間の実務的な協力を推進し、3カ国のシンクタンクを設立し、3カ国の協力に知恵のサポートを提供する。
(三)開放の重視。中日韓の協力は、その他の地域・国とつながりを持つ。すでに存在するASEANと中日韓(10プラス3)の協力の他に、モンゴルやロシアなどの周辺諸国、EUなどの地域組織もまた、中日韓の協力に興味を示している。一部の周辺諸国を、中日韓の災害救助や環境保護などの対話と協力に招くことで、その他の地域の協力組織の経験を学んでもよいだろう。ASEAN、EU、アジア太平洋経済協力会議などと交流・協力を実施するのもよい。
(四)忍耐力を持つ。EUは今日の規模まで発展するまで60数年、ASEANは50数年の月日を費やした。中日韓の協力は、まだ15年のみだ。時間さえかければ、北東アジアの協力も成功するはずだ。国家間に政治問題と領土係争が存在しているが、世界が冷戦時代に逆戻りすることはなく、中日韓の協力の方針が変わることもない。二国間関係の、多国間の協力への影響を極力回避するべきだ。(筆者:岩谷滋雄 中日韓協力事務局長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月30日