だが安倍首相の計算はそう都合よく進みそうにない。10年前の小泉政権時の場合と同様、常任理事国入りへの抵抗は減少していないどころか、自分でトラブルを作り出してさえいる。日本が拠り所としている米国も、集団的自衛権容認には支持を表明しているが、「常任理事国入り」には10年前と同様、反対もしないし積極的に支持もしないという態度を決め込んでいる。米国は実際には、国連が根本的に改革されることは望んでおらず、安保理を大規模拡大するくらいなら現状を維持し、内部の仕組みの改革だけに終わらせたいと考えている。さらにドイツなども「常任理事国入り」には慎重な態度を取っている。日本が実現に奔走している「4カ国グループ」主導の改革案に米国は乗ることなく、他国が反対しているという理由で間接的な否決に持ち込もうとする可能性が高い。
さらに韓国を含む一部の国は、日本の「常任理事国入り」の努力に対抗する姿勢を取っており、反対勢力として結集している。日本などの提案の実現には、国連加盟国193カ国のうち129カ国の支持を取り付ける必要がある。常任理事国を11カ国に増やすという急進的な提案は事実上ほぼ不可能だ。安倍首相は中国・韓国・ロシアなどの核心的な利益を無視し、領土問題や歴史問題で自分のやり方に固執し、挑発と見られても仕方のない行動を繰り返している。日本の常任理事国入りに、現常任理事国の中国とロシアの賛同を取り付けるのは、天に登るよりも難しいだろう。
常任理事国拡大の提案が否決されることはほぼ間違いない。非常任理事国拡大も実現には様々な困難が伴う。安倍首相の進める「常任理事国入り」は、自己満足の政治ショーに終わる可能性が高い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年7月24日