インドと中国は新興国で、同じBRICSに所属している。両国の発展を巡る共通の利益は多い。両国の地政学の駆け引きは、少なくとも現段階では、どちらにとっても最も重要なことではない。インドの国力は大国の中では弱い方であり、中日印、中米印のような三角関係において、最も弱いインドは一定の余裕を維持している。インドは米国に駄々をこねており、日本もインドにペコペコしている。彼らはインドを抱き込み、中国をけん制したいのだ。
しかしこのグローバル化の世界において、冷戦のルールの効果が弱まっている。米日でさえ中国と競争すると同時に、直接衝突を回避しようとしている。インドは両国の武器になるほど馬鹿ではない。
中印関係は安定しており、習近平国家主席も訪印日程を控えている。中国の指導者が、短期間内に訪れることのない隣国は、日本だけだ。日本は自国を中心とし、「対中統一戦線」を形成しようとしている。これは中国の台頭で日本が焦燥したことにより生まれた、狂った考えだ。
日本の指導者は勝手に中国周辺諸国の説得に取り組めばよい。日本人は「価値観同盟」を長年提唱してきたが、これは実質的な利益を伴わない快感をもたらすだけだ。
中国は中印関係に自信を持ち、我慢強く見守るべきだ。モディ首相が対中問題で、シン政権と大きく異なる方針を示した場合、中国は適度に圧力をかけるべきだ。モディ政権は、中印友好関係は、インドが国家の安全と繁栄を実現するための、現実的な主菜であることを理解できるはずだ。主菜があってこそ、食後のデザートを美味しく食べられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年9月3日