日本、「インド太平洋」で中国をけん制

日本、「インド太平洋」で中国をけん制。

タグ: インド太平洋 中国 けん制

発信時間: 2014-10-08 14:05:48 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「インド太平洋概念」が国際政治の現実になりつつある中、アジア太平洋の構造に微妙な変化が生じている。地域内の一部の国は、対外関係を積極的に調整している。安倍首相は先ほどオーストラリアを訪問し、モディ首相を日本に招待し、両国間の海洋安全協力を強化し、定期的に海上合同演習を実施することを決定した。これはインド太平洋概念が、具体的な行為に変化したことを意味する。日本にとって、インド太平洋は二大洋が交わる場所、日本の「自由と繁栄の弧」の重要な地点であり、インド洋と太平洋を同じ地域戦略の枠組み内に収めることができる。日本の航路が重なるインド太平洋は、日本の海洋国際戦略の重点でもある。

日本の海洋国際戦略の中核は日米海洋権益同盟だ。しかし日本は日米同盟関係を深化させると同時に、共通の価値観を持つ国と「インド太平洋」地域の海洋パートナーシップを構築しようとしている。日本は集団的自衛権の行使の国際的な影響力を、西太平洋から広大なインド太平洋の海域に広め、最終的に海洋総合安全保障体制を形成しようとしている。この目標に向け、安倍首相は「アジアの民主主義的安全保障ダイヤモンド」という構想を打ち出し、豪印日米による「インド洋から西太平洋の公海を守る」ダイヤモンドを形成しようとしている。日本はまた、この安全保障ダイヤモンドに最大限に貢献する準備を整えている。この構想は日本のインド太平洋概念への重視、インド太平洋で中国をけん制する海洋戦略の位置付けを示している。

日本の一部の海洋権益の理念は、中国を「大陸国家」として「海洋アジア」から除外し、中国が海洋に向かう正当性と合法性を理論面から剥奪し、アジア大陸を囲む海洋権益を中国から奪おうとしている。このような理論に基づくと、中国が東中国海・南中国海・インド洋の前線を支配すれば、日本は中国の制御を受けるしかなくなる。このような海洋権益の理念は、日本政権与党の保守政党、政府が制定した海洋戦略・政策の指導的な思想になっている。

日本の保守勢力は「海洋国家」、および国際秩序を守る「海洋大国」のイメージを樹立しようとしている。またその一方で、積極的に「海洋国家同盟」、「民主国家同盟」の構築に取り組み、さらに「価値観外交」によりインド、オーストラリア、韓国、東南アジアの一部の国、太平洋の島国を抱き込み、海洋権益を守ろうとする中国をけん制している。価値観外交は、島国から海洋国家になるという、日本の戦略の重要な手段になっている。安倍首相は2013年の年初にASEANの一部の国を訪問した際に、ASEAN外交の5つの原則を発表した。安倍首相はその中で、日本とASEAN諸国は自由、民主主義、基本的人権などの普遍的な価値の創造と拡大に尽くすと述べた。

日本は一貫して東南アジア・南アジア諸国との関係を重視してきた。安倍首相はこのほど、インド太平洋国家との関係を強化している。これは地域内の協力から得られる経済的な利益と関連しているが、同時に海洋安全協力を強化し、海洋権益を守る中国の正当な戦略的意図をけん制してもいる。特に海洋安全保障の技術および装備の面で、日本は南太平洋・インド洋の「新興海洋国家」の海軍建設にかつてないほどの支援を提供しており、中国けん制の意図を露呈している。

日本がすでに航路を守るという伝統的な安全の観念を捨て、インド太平洋の広大な海域への波及を海洋戦略の重点としていることは明らかだ。日本はインド太平洋の海洋・領土問題に積極的に介入しており、インド太平洋の航行の自由と「法律による支配」の秩序を主導し守る者を自称している。長期的に見ると、日本はいわゆる共通の価値と理念をインド太平洋の海洋安全協力の基礎とし、インド太平洋の国家間の仲違いを促し、同海域の不安定を招くだろう。(筆者:呂耀東 中国社会科学院日本研究所外交研究室主任)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年10月8日

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