現在まで、日本政府は上述した情報の信憑性を裏付けていない。しかし毎日新聞のような権威あるメディアが引用する「消息筋の話」が、根拠の無い噂であることはない。これまでの経験からすると、日本政府は特に敏感な外交問題で姿勢を調整する場合、先に権威あるメディアを通して噂を流し、国内外の反応を探ることが多い。
このような噂には、日本国民が過度な反応を示さないかを見て、中国の反応を伺うという二つの狙いがある。国内の反発が強くなく、中国側も積極的な反応を示した場合、日本政府は正式なルートを通じ公表する可能性がある。各要素を総合的に見ると、上述した情報は安倍政権の様子見のボールととらえることができる。
仮にそうならば、日本が釣魚島問題の立場に一定の微調整を加えたことを意味する。つまり中国側の要請を無視するのではなく、これを「中国側の立場を理解している」に変え、「一定期間の対話による解決」を願うことになる。
この状況下、福田氏の今回の訪中は、日本の釣魚島問題における「新政策」について、中国側の反応を伺う目的があると判断できる。中国は日本が投げてきた「ボール」を、いかにキャッチするべきだろうか?
客観的に言えば、日本が釣魚島問題で中国と係争解決に向け対話することに同意したことには新しい内容があり、肯定的にとらえることができる。しかし日本側は依然として小賢しい策を弄し、中国を陥れる曖昧な余地を残している。ここで重要なのは、日本が釣魚島の主権を巡る係争が存在するという事実を明確に認めていないことだが、これによって次の問題が生じる。中日の今後の対話では、主権問題という最も根本的で重要な問題について話し合われるのか、それともいかに双方の過激な行為をコントロールし、艦艇の対立のエスカレートを回避し、突発的な武力衝突を回避するという表面的な問題だけが話し合われるのか?仮に後者だった場合、それは日本の譲歩でないばかりか、日本の「勝利」でさえある。