日本の政治家による靖国参拝は、これまで中国と韓国を憤らせてきた。しかしこの問題に、解決の可能性が見えてきた。14人のA級戦犯の魂を、靖国神社から移そうというのだ。英タイムズ紙が伝えた。
戦没者遺族団体は、東條英機を含む靖国神社に合祀されているA級戦犯を分祀するよう呼びかけている。こうすれば靖国神社を巡る対立を解消し、日本の政治家が参拝したとしても受け入れられるというわけだ。タイムズ紙は戦没者遺族団体の福岡県遺族連合会の関係者の話として、「A級戦犯の分祀は、その他の戦没者の霊に祈りを捧げるため極めて重要だ。こうすれば天皇皇后両陛下、首相、日本人全体が心置きなく靖国神社を参拝できる」と語った。同じような案は他からも出されたことがあるが、戦没者遺族団体から正式に提案されるのはこれが初めてだ。同組織は高齢の超保守派が牛耳る影響力のある組織だ。
日本と中国の関係が極めて敏感な時期に、この案が出された。両国関係は過去数十年間で最悪の状況となっているが、一部の原因は靖国問題だ。安倍晋三首相は昨年、7年ぶりに靖国神社を参拝した日本の首相になり、両国首脳の交流を凍結させた。安倍首相はその後、靖国参拝を見送っているが、これは来月北京で開かれるAPEC首脳会議で、中国の首脳・習近平氏との会談を実現するためだ。