安倍晋三首相は18日夜、21日に衆議院を解散し、総選挙を行うことを発表した。
・狙い:長期政権運営
自民党は衆議院で多数の議席を占めているが、安倍首相はなぜ急いで解散しようとするのだろうか?これは長期政権運営を目指す、安倍首相の個人的な狙いと密接に関連している。安倍首相が今年中に衆議院を解散することには、主に次の狙いがある。
まず、閣僚の政治資金問題に対する野党の追及をかわし、傷だらけになった内閣のスキャンダルを選挙で「帳消し」にし、政権の「再始動」により党内の団結力を維持する。
次に、一党独裁の自民党、まとまりのない野党という政治構造に変化がないことが挙げられる。年内の急な選挙により、野党は選挙区と候補者の調整が困難だ。
それから、来年9月の自民党総裁選前に、安倍政権は原発再稼働、アベノミクスの成果の総括、集団的自衛権の関連法案といった支持率に影響しやすい内政の難題に直面する。安倍首相にとって、衆議院の解散総選挙という技法は、使用が遅れれば遅れるほどリスクが高まり、自民党総裁の続投にも影響が生じる。安倍首相は今回の衆議院選、来年の自民党総裁選に勝利すれば、任期を最長で2018年末まで延長できる。
・焦点:アベノミクス
2四半期連続のマイナス成長に、安倍政権は悲喜こもごもだ。深刻な景気低迷は、消費増税先送りの説得力ある根拠になった。
しかし第3四半期のGDPデータは、アベノミクスが標榜する成果にとって、重大な打撃になった。日本経済は昨年第4四半期から現在までの4四半期のうち、3四半期でマイナス成長に陥っている。唯一プラス成長だったのは今年第1四半期だが、これは国民と企業の消費増税前の駆け込み買いと投資によるものだ。