ユーゴスラビアはかつてサラエボから南に40キロ離れた場所で、30億ポンド・26年を費やし地下核シェルターを建設し、ヨシップ・チトー元大統領ら指導者を守ろうとした。このシェルターは、現在すでに放置されている。11月27日付の英デイリー・テレグラフ紙が伝えた。
この地下約280メートルにあるU字型のシェルターは、面積が6500平方メートル以上に達し、350人を収容できる。シェルター内には発電機、水供給システム、エアコンがある。人々はこの密閉空間で、約半年生活できる。シェルターの壁は2万トンのTNT爆弾の威力に相当する核兵器にも耐えることができる。この威力は、広島に投下された原爆をはるかに上回る。シェルター内には、100の寝室がある。
この核シェルターは、チトー元大統領が亡くなる1年前の1979年に竣工したため、大統領が使用することはなかった。1992年にボスニアがユーゴスラビアから独立すると、この秘密基地が初めて公開された。ユーゴスラビアの解体後、新たな軍隊がここを引き継いでおり、現在は一般開放されている。