共同通信社の12月22日の報道によると、中国軍が釣魚島(日本名・尖閣諸島)付近の中国領・南キ列島に軍事基地を建設している件について、日本政府は緊張を強めている。政府はこの件について、中国が東中国海上空に設定した防空識別圏を強化する願いがあると判断した。
日本政府の消息筋は21日、共同通信社の取材に対して、「これは中国の領土内でのことであり、抗議をすることはないが、動向を注視していきたい」と語った。
安倍政権は11月の中日首脳会談で、戦略的互恵関係の発展を確認したことを契機に、閣僚級会談を積極的に展開し、膠着状態に陥った中日関係を修復しようとしている。
中国が南キ列島で軍事基地を建設している件について、首相官邸の消息筋は、「日中関係には進展も見られるが、同時に釣魚島を巡る観点の対立など不変の点もあり、これを慎重に認識する必要がある」と述べ、中国の軍拡が今後も両国間の懸案になると判断した。
21日に中国の複数の消息筋から得た情報によると、中国軍は浙江省・南キ列島の軍事基地の建設に着手している。同列島は釣魚島の北西に約300キロ離れている。中国は最先端のレーダー設備を取り付けており、ヘリポートを整備中だ。軍機の滑走路の建設計画もある。
日米との有事を想定して危機対応能力を高めると同時に、東中国海上空に設定した防空識別圏の監視を強化する狙いとみられる。南キ列島は自衛隊や米軍の基地がある沖縄本島よりも釣魚島に約100キロ近く、釣魚島防衛に向けた日米安全保障戦略に影響を与えそうだ。
南キ列島は海洋生物の多様性により、国連教育科学文化機関の生物圏保存地域に登録された自然保護区だ。中国のこの動きは、軍事基地建設の合理性に関する議論を引き起こす可能性がある。