南キ列島の関係者と軍事情報に詳しい消息筋によると、軍事基地を建設するため、数百人の軍人が今年秋、52の島のうち最大の南キ島に入った。情報によると、軍事用の超高速通信網の敷設が始まっている。
南キ島の高所に複数の大型レーダーが設置されており、ヘリポート予定地の一角に正方形の離着陸地点が設置されているのが確認できる。これは軍艦もしくは大型巡視船の艦載機に使用されると分析されている。上述した消息筋によると、早ければ来年にも南キ島付近の島で滑走路の建設が開始される見通しだ。
南キ島では過去にも小規模な海軍部隊が駐留しており、2013年頃には空軍が進駐した。陸軍も将来的に進駐する予定で、陸海空3軍の共同駐留が実現される。
浙江省平陽県・南キ列島は、浙江省鰲江の河口から30キロ離れた東中国海に位置し、鰲江港から56キロ、台湾島から約150キロ離れている。同列島の総面積は200平方キロメートル、陸地面積は11.3平方キロメートルで、52の島を持つ。同列島は1990年に、中国初の5つの海洋類自然保護区の一つに指定された、中国唯一の国家級貝・藻類海洋自然保護区で、「貝・藻の王国」と称されている。同列島は1999年に、国連教育科学文化機関の生物圏保存地域に登録された。
旧日本軍は抗日戦争期間に南キ列島を2回占領した。同列島はその後、海賊「烏軍」と大刀会に奪われた。中華人民共和国の誕生当初、浙江省南部の国民党の残党が南キ列島に逃げ延びた。これらの残党勢力が1995年2月に大陳島から撤退した際に、島の住民が台湾に連れ去られた。その後、平陽、瑞安、文成などの県から島に移民する人が出て、洞頭県の管轄下に置かれた。南キ列島は1957年に平陽県に収められた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年12月23日