高額で未熟な日本製品、英国人はなぜ購入するのか?
川崎重工が中心になり開発したP-1は、全長が38メートル、翼幅が35.4メートル、離陸重量が79.7トンとなっている。同機はIHIのXF7-10ターボファンエンジン(計4基)、東芝が開発したフェーズドアレイレーダー「HPS-106」を搭載する。胴体には30のブイの投下口があり、弾倉と翼下には魚雷や対艦ミサイルなどを搭載でき、対潜・対艦能力を兼ね備える。
海上自衛隊はP-1を約60機調達する予定だが、2億ドルという驚くべき単価がついている。宋氏は、「海上自衛隊の調達量が少ないことのほか、P-1のエンジンやレーダーといった多くのコア技術は新たに開発されたもので、安くならないのも当然だ」と指摘した。
日本が狙いを定めているのは、英国の哨戒機「ニムロッド」の後継機計画だ。P-1の他に、米ボーイング社のP-8とエアバス社のC295も競争に加わっている。
ボーイング737の機体をベースに改造されたP-8ポセイドンは、米国最新の対潜哨戒機だ。米海軍はこのほどP-8を16機調達し、単価は1億5000万ドルだった。日本は政府補助金により、P-1に1億6000万ドルという価格を設定した。これは国内の調達価格と比べれば、すでに「2割引き」の条件だが、20機以上の調達を前提とする。それでもP-8より高いほどだ。
宋氏は、「ボーイング737は非常に成熟した民間旅客機で、その信頼性・安全性と維持費は受け入れやすい。これと比べ、4発のP-1は双発のP-8より理論的には安全だが、国産ターボファンエンジンの成熟度には安心できない。英国が米国の不興を買うリスクを犯し、日本のより高額で未熟な製品を購入することがあるだろうか?これは非常に賢明な英国人のやることとはまったく思えない」と分析した。