安倍首相のテレビ番組での発言は、各党から批判された。公明党の山口那津男代表は、村山談話の「過去の植民地支配と侵略を反省する」という文言について、「キーワードは極めて大きな意味を持っている。(首相談話は)それを尊重して意味が伝わるものにしなければならない」と述べた。番組で共演した民主党の岡田克也代表も、出演中に憤りを表し、安倍首相の立場を受け入れられないと述べた。岡田代表は、「談話ではまず誠意を込めて歴史と過去を認めた上で、戦後70年の努力について論じるべきだ」と指摘した。共産党の志位和夫政治局委員長は、安倍首相は村山談話を継承するとしながら、キーワードにはこだわらないと言っているが、これには重要な部分を曖昧にする狙いがあると分析した。社民党の吉田忠智代表も安倍首相に対して、明確に侵略と植民地支配の歴史を反省するよう求めた。多くの野党代表のうち、次世代の党の平沼赳夫代表のみが、安倍首相の発言に支持を表明した。
安倍首相は25日のNHKの番組で、新談話に次の3つの重要な内容を盛り込むとした。(1)第二次世界大戦に対する深い反省(2)戦後70年の民主主義の歩み(3)未来の地域と世界に対する貢献。しかし安倍首相が、地域や世界の平和のために努力しているようには見えない。安倍首相は番組の中で、集団的自衛権の行使に向け準備を整え、新年度予算案の可決後に関連法案を提出し、安全保障法制の整備により交戦中のペルシャ湾の機雷掃海を実現する意向を示した。共同通信社は、交戦中の機雷掃海は、国際社会から武力行使と見なされると指摘した。
安倍首相の立場は、日本の歴史否定の風を助長した。消息筋は25日、共同通信社に対して、4月にリニューアルする戦争博物館「ピースおおさか」の調整後の展示内容からは、「侵略」の文言が削除されると明かした。同博物館では最近、日本の植民地支配や加害行為に関する展示が見られなくなっており、「(アジア諸国にもたらした)大きな被害を忘れない」とする設置理念が撤回されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年1月26日