安倍首相は2月12日午後に衆参両院で施政方針演説を発表した際に、改憲について多くを語らなかった。これは注意すべきことだ。安倍首相は施政方針演説の中で「改革」に36回触れ、「日本の戦後最大の改革となる」と述べたが、改憲については設問の形で1回触れるに留まった。安倍首相は、この問題は国民の間で議論を掘り下げるべきだと話した。改憲の重要問題である集団的自衛権の行使について、安倍首相は一言も口にせず、「自衛隊」という言葉も4回しか使わなかった。「新華僑報」が伝えた。
第3次安倍内閣の出港を象徴する「施政方針演説」で、なぜ改憲の問題がこれほど回避されたのだろうか?安倍首相が前進を止めたのだろうか?それとも手段を変えたのだろうか?筆者は後者だと判断している。
安倍首相は非常に「愛国的」に、憲法を改正しなければならないと表明した。もちろん、安倍首相はそのために米国という虎の尾を踏むわけにはいかず、米国から改憲への支持を得ると同時に、米国が必要とする、受け入れ可能な改憲の内容を盛り込む必要があることを理解している。
安倍首相はこのほど、「環境権」と「緊急事態条項」を追加することで改憲を推進すると表明した。いわゆる「環境権」とは、改憲の際に「国民が良好な自然環境を享受する権利」を追加することを意味する。いわゆる「緊急事態条項」とは、改憲の際に「外国の武力攻撃を受けた場合、大規模な自然災害が発生した場合に、自衛隊を出動できる」を追加することを意味する。
これに対して、日本最大野党の民主党も、「必要性を認める」と表明した。安倍首相がその他の与野党の支持を得ることで、改憲を促そうとしていることは間違いない。近年「朝鮮脅威論」、「中国脅威論」、「ロシア脅威論」を振りかざしているが、これは韓国を含む国々との領土係争が原因となっている。
ゆえに、日本国民から支持を得やすいことが分かる。米国は、日本が海外に派兵し、米国を支援できる軍事国になることを願っている。この願いが一気に実現できない状況下、日本が武力によって戦争に対応できる国になることが、非常に重要になってくる。
安倍首相が急に改憲に低姿勢になったことは、志を変えたことを意味しない。安倍首相は改憲の形式を調整することで、各政党との調整を図り、国民に受け入れさせ、軍事同盟を結んでいる米国という「兄貴」を喜ばせようとしている。当然ながら、このような改憲の中身に変化はない。この中身とは、日本を「参戦可能な国」にすることであり、憲法の規制を突破する要となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年2月17日