宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工は2月1日、H-IIAロケットを使い種子島宇宙センターから偵察衛星レーダーを発射した。これは日本が今年新たな宇宙基本計画を発表してから見せた、初の大きな動きだ。日本は「現代的な安全保障」という旗印のもと、今後10年間に45基の衛星を発射するという大きな目標を掲げ、各国の安全に対する懸念を深めた。
一貫して「平和的な宇宙開発」を標榜している日本が、偵察衛星を打ち上げる動機とは何だろうか?日本の偵察衛星には、どのような「神通力」があるのだろうか?どのような役に立つのだろうか?
制限を打破、宇宙に進軍
戦後の国際秩序と平和憲法の制限を受け、日本の国会は1969年に宇宙開発を非軍事とする原則を制定し、衛星の軍事利用を禁止した。この原則を回避するため、日本は偵察衛星を「国家安全を確保し、大規模災害への対応を目的とする画像情報収集衛星」と定義づけた。さらに文部科学省、経済産業省、総務省などの部門で共同開発を進め、内閣情報調査室に所属する衛星情報センターにコントロールを担当させた。表面的には、軍事とは関連性がないように見える。この婉曲的な戦術により、上述した原則が単なる一枚の紙切れとなった。
安倍政権が制定した新たな「宇宙基本計画」は、「平和的な宇宙開発」という旗印を掲げ続けているが、刀をせっせと磨いて、日本の宇宙の砦を建設しようとしている。今回発射された偵察衛星レーダー予備機は、ほんのワンステップに過ぎない。日本は今後、さらに大規模な宇宙開発プロジェクトとその成果を軍事目的に利用し、偵察衛星をその他の衛星と結びつけることで、測位・通信・情報収集などの多機能を一体化させた新たな衛星システムを形成しようとしている。これにより宇宙の軍事力を徐々に拡大し、自衛隊の武力使用範囲の「陸海空+宇宙」という全方位的な飛躍を実現しようとしている。