偵察衛星、幅広い用途
日本は、偵察衛星は未来の宇宙戦争の主力装備、宇宙空間の支配権を手にする「神器」であり、情報収集・画像偵察・電子偵察の他に、多くの装備にはない欠かすことのできない力を発揮できると判断している。
(1)海洋監視。「宇宙基本計画」には、「積極的に宇宙分野に進出」、「現代的な安全保障」、海上の船舶および地上の設備を監視する偵察衛星の機能を拡大・強化と明記されている。日本の衛星ネットワークは広範な海域を網羅し、さらに昼夜を分かたず多くの活動中のターゲットを監視できる。衛星監視の対象が、「日本の領海に侵入」した外国の船舶、特に空母であることは間違いない。
(2)ミサイルの早期警戒。日本の偵察衛星に搭載されている赤外線探知機・カメラは、ミサイルの大気圏突入後の赤外線放射を探知し、追跡することができる。ゆえに2基の偵察衛星を用いるだけで、ミサイルのリアルタイムの早期警戒が可能になる。
(3)宇宙ゴミの除去。宇宙ゴミは名実相伴う「宇宙の殺し屋」だ。膨大な数、高速移動という二つの解決すべき難題が存在する。高度・方向・速度が異なり、大気の密度が極めて複雑であることから、宇宙ゴミの移動の軌道と具体的な衝突地点を正確に予測することは難しく、偵察衛星によるリアルタイムの観測が必要になる。宇宙ゴミを除去する技術的手段には、ロボットアームによる収集、レーザーによる除去などが存在するが、いずれも偵察衛星というプラットフォームが必要だ。自衛隊はこれらの技術を把握しており、他国の軌道上を運行中の衛星を「除去」する能力を持っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年2月25日