中国は九年連続の豊作を勝ち取り、この分野での発展もめざましいものがあるが、世界の発達諸国の状況を見ても分かるように、約5%の農業人口で国民の生活を確保しているところもある。中国では数多くの農村の労働力が出稼ぎの形で都市を目指しているが、やがては漸進的な都市化によって、これらの人々をだんだんと都市住民化していくことになろう。
農業の近代化は、大規模化経営と切り離せない。大型農業機械の使用による生産性の向上、水利施設の完備、農業科学技術の導入といったことは、規模化と切り離せない。そして、近代化の農業のバックアップがあってこそ、科学・技術、工業のさらなる近代化も可能となる。
そういう意味で、全国各地では、農業機械化と組み合わせた協同組合型経営方式の模索が行われている。湖南省では信託組織に耕地使用権をまとめて信託する形で、耕地の大面積化を目指しているところもある。