林国本
先般、中国安徽省の合肥市で行われた中国サッカーチームとタイ青年チームとの試合で中国チームは1対5で敗れ、これがキッカケとなって中国サッカー界に新たな動きが現れた。
まずは一部サッカー・ファンが試合終了後、中国側の選手控え室の近くに押しかけヤジを飛ばし、その後、一部新聞のスポーツ欄に中国チームの敗退についての論評が現れた。大方の見方では、それ以前にオランダチームに1対2で敗れはしたが、これはファンの心理的許容限度から見て、受け入れられるものであったのか、これといった動きは見られなかった。しかし、タイとの試合では、何人かの前世紀90年代生まれの選手もいて、それほど強くはないと思っていた相手にこてんぱんにやられたのだから、ファンにとってはショックだったに違いない。イライラしたファンたちは中国チームのカマーチョ監督(スペイン人)の能力をも疑い始めた。
中国サッカー界はイギリス、オランダ、セルビアなどからナショナルチームの監督を招請して来たが、ごく少数のもの以外、あまり成果をあげるに至らなかった。原因はどうも中国のサッカーについて深く知らず、自己流を貫こうとしたことにある、と見られている。また、やれドイツのサッカーに学べ、やれブラジルのサッカーに学べ、スペインのサッカーに学べと言って、異なったスタイルの間で揺れ動き、みずからのスタイルを構築するに至らなかった。