コンテストに参加した人たちは、日本語の基礎を身につけ、堂々と実力を発揮する意欲を示していた。この人たちの成長を見て、アイウエオからここまで若者たちを育てた教員の皆さんの努力、それをバックアップした大学当局の人たちの力添えが見てとれた。
実戦の場ではないので、試験問題は標準的なアナウンスで提示されたが、とにかく参加者たちの真剣な姿には、感動に近いものを覚えた。しかし、コンテストではやがて卒業して実社会でもまれることになる若者たちを励ます意味で、二、三アドバイスをおこなった。
私見として中国で一流の通訳者になるには、まず中国と日本の政治、文化について一般の人たちよりさらに深く勉強する必要性を説いた。そしてなるべく多くの分野の知識を身につけることも、実社会に出れば、きびしい環境に置かれ、衆人環視の中で、いろんな人の話を正確に通訳しなければならず、場合によっては失敗は許されないこともある。私は何人か中途挫折した人をこの目で見ているので、学生たちにもっと真剣に勉強に取り組んでもらいたいという気持ちも表明した。