林国本
中国の公式発表によると、食糧生産は九年連続増収となった。今年は世界の一部地域では干ばつに見舞われ、世界の穀物市場では懸念材料となっている。その中で、世界で人口の最も多い、食糧消費が最も多い中国で九年連続増収となったことは、世界の穀物市場にとって安定要因となっていると言える。
新華通信社の『瞭望』誌によると、1999年―2003年には連続減収となり、一時外国の学者の間では、13億の民を食べさせていくにはどうすればよいか、という人も現れたが、その後2004年から連続増収となった。中国は耕地面積が相対的に少なく、水資源も不足している地域が多く、こうしたマイナス要因を抱えながらも、成果を収めていることは、政府が「三農政策」を打ち出し、農業の振興に注力した結果であると言えよう。なにしろ10数項目にのぼる税、費用の徴収を撤廃し、農民に実益をもたらしてきたことが、広範な農民の生産意欲を引き出したと言えよう。
そして、「国民皆保険」という究極の目標を目指して、社会保障、医療保険の普及にも力を入れてきた。さらに農業の近代化、科学的農法の応用、良種の導入などにも注力している。