れといった成果が見られなかった。少年をブラジルに送り込んで、ブラジルのサッカーを学ばせた時期もあったが、成果は芳しくなかった。その後、オランダの監督やセルビアの監督を招いてはみたが、成績はやはり芳しくなかった。
評論家たちは、お隣の日本や韓国はヨーロッパやブラジルのサッカーを学ぶ中で伸びてきたことを見ても、やはり自分たちに適したサッカー、自国の選手にぴったりと合ったサッカーを探り当てるべきだとも語っている。上海の近くにある崇明島で百人の少年たちとサッカーのトレーニングに取り組んできた徐根宝さん(56)は、優秀な若手選手を多数育て上げている。この例からも中国のボールゲーム種目を強くするには外国に学ぶことも不可欠だが、いかにして自分のボールゲームを作り出すかが大きな課題ではないかと思う。
北京オリンピックで総合点1位、ロンドン・オリンピックで総合点2位になったことは中国スポーツ界の大きな成果であるが、スポーツ大国からスポーツ強国へと向かうためには、さらなる努力が必要であろう。現状では、リオ・オリンピックでも一応の戦績を示すことは不可能ではないが、世界各国がみな強化に励んでいる中で、中国スポーツ界は現在の成果に満足していては、やがて、他国に追い抜かれてしまうことになろう。