林国本
毎年年末になると、「中央農村工作会議」が開かれていたが、今年のそれはとくに新しいものが感じられた。つまり、中国の農業近代化への取り組みへの決意がひしひしと感じられるものであったからだ。
数年前、陝西省の楊凌農業試験場での国際会議に参加したときから、農業の近代化への布石というものが感じられたが、その後次々と公表される各省での動きを見ていると、一歩一歩着実にそれが進ちょくしていることを感じた。
黒竜省や吉林省の穀倉地帯では広大な農地の存在という強みを存分に生かしきって大規模近代農業が展開されている。そして、安徽省、江西省などにも農業モデル区が作られている。われわれ庶民の食卓からもそれが感じられる昨今である。中国ではすでに日本のササニシキ、コシヒカリ、秋田こまちに劣らないコメを常食できる時代になっていると言える。もちろん、寿司文化が存在しないので、いくらか違いがあるが、とにかくお新香だけでも食事ができそうなコメがスーパーに所狭しと置かれているご時世である。