林国本
最近、中国の指導部の人たちの外国公式訪問の際には、公式の会見の合間に、現地の中国語を勉強している若者たちと会って、親しく言葉を交わしているテレビの映像が流され、地元の若者たちが、練習に練習を重ねた漢詩の朗読を披露している場面もあった。テレビのリポーターが「なぜ中国語を勉強することになったのですか」とたずねると、「中国語ができると就職しやすいからです」と率直に答えていた。
この数十年間に中国の国際的地位の向上にはめざましいものであり、世界各国、各地域との貿易、文化交流も盛んになっており、コミュニケーションの手段として、中国語はますます重要視されてきている。国によっては小学生の頃から勉強できる私立の学校もできているくらいである。
しかし、よく考えてみると、私自身もやはり、日本語、中国語と英語でラクラクとめしを食べてきた人間と言えなくもない。もちろん、われわれの世代の人間は、「めしのために語学の勉強をしている」という表現ははばかられる時代を経てきたので、「人民に奉仕するために」とか「国の建設事業のために」という理由づけをしていたが、とにかく、特技のようなものを身につけていれば、暮らしやすかったことは確かだ。