林国本
外国の新聞などの報道によると、ロンドン・オリンピックの施設もほとんど完工間近で、すでに世界各国の報道関係者もロンドンに報道拠点を設ける準備にかかっている。トーチ・リレーの準備状況も公表され、開催までにイギリス全域でトーチ・リレーが行われることになった。
各国のスポーツ界も次々と選手の選抜をおこなって本番に備えている。中国もかなりの種目で新旧メンバーの入れ換えが終わり、本番への備えを固めている。
新中国の建国以来、国民の健康レベルの向上と大衆スポーツの展開に力を入れてきた中国は、北京オリンピックを成功裏に開催し、大きな進歩をとげた。中国のスポーツ主管部門の一部の人たちは、スポーツ種目の発展にはアンバランスがみられると述べてはいるが、私見ではあるが、発展途上国として、また現代において曲折を経てきた国としてここまでたどりついたことは大いに評価すべきであると考えている。現代において中国とほとんど同じような境遇に置かれていた国の中で、ここまでやりとげた国は皆無といえる。しかし、ゴールド・メダル総数でトップに立ったことは、喜ばしいことであるとともに、中国はかなりの種目で他国に追われる立場に置かれることをも意味する。つまり、キャッチアップという目標のある戦いから自分との戦いに変わったことをも意味するようになったわけである。
また、北京オリンピックは自国で主催されたものだが、ロンドン・オリンピックはサッカーで言えばアウェイでの戦いとなるので、いろいろ想像しえない状況に遭遇しないとも言えない。そういう意味で、「勝ってかぶとの緒を締めよ」ということわざにあるように、合宿などを通じて準備万端で臨むことを忘れないようにしてもらいたい。