中国のスポーツ界は、新中国建国以後、スポーツの発展に力を入れ、国民の健康水準を向上させるという方針のもとで、全力を上げて競技スポーツのレベルアップと大衆スポーツの展開に力を入れてきた。そして、さまざまな競技大会で目を見張らせる成長ぶりを示してきた。1908年の北京オリンピックは、その総仕上げと言ってもよく、金メダル総数で一位となった。この成果は国民を大いに励ますことになった。
しかし、朗報ばかりではなかった。ここ数年、ドーピング検査で中国選手がひっかかるケースも現れてきた。ドーピング検査で「黒」と判定されれば、競技成績は取り消されるし、数年試合参加不可能となり、ある意味で選手生命が「一巻の終わり」となる可能性さえあるわけだ。
ロンドン・オリンピックのトーチリレーの準備も完了し、いよいよオリンピックに備える時期に来た昨今、中国スポーツ界はドーピングを厳しく取り締まることになった。
世界のヒノキ舞台で、メダルに輝くことはすべての選手の夢であろうが、よい記録を出すために、禁じられている薬剤をこっそり使用して筋肉の瞬発力を強化しようとする人も出てくるのも、そうした誘惑に負けてついつい手を出してしまうことかも知れないが、なかにはごく少数だが、確信犯的に常用していたという人もいないわけではない。