最近では、孫さんたちのアニメ制作学校から巣立った若者たちもすこしずつ増えているらしいが、北京、上海、杭州のようなアニメ情報のシャワーを浴びて育った若者たちがワンサといるところから見ると、孫さんたちはこれからもパイオニアとしての苦労を嘗めることになろう。しかし、寧夏王陵という世界で唯一の文化遺産を有し、西夏文字研究の面でも強みがあり、中国でも有数のムスリム文化の蓄積のある寧夏、シルクロード文明の遺産をもつ寧夏で、この3人の若者がユニークなものを作り出すに違いない、と信じている。
私もスタジオ・ジブリの歴史とか、日本のアニメ文化について、一老ジャーナリストとして関心を持っているが、文化の淵源という視点から見ると、敦煌の壁画など、シルクロード文化の遺産に恵まれた中国の西部からもユニークなアニメ文化が、発信される日が来ることを楽しみにしている。そしてあえて言わせてもらうならば、中国発のアニメが世界に受け入れられ、世界の少年少女が大いに熱中する日が来ることを願っている。これは決して夢ではない。そのためにパイオニアである孫さんたちにエールを送りつづけたい。そして、さらに注文みたいなことを書き添えておきたい。それは1人や2人だけのアニメ作家に頼っているだけでは西夏のアニメ・クリエイティブ産業は大きく育ち得ない、10人、20人といろいろなスタイルの人材を育てていくことが大事だし、また、外の世界を知ることも不可欠ということであろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月24日