第2に、このヘリ空母の就役は海上自衛隊の攻撃的作戦能力を高め、日本の軍事的冒険性を助長する。ヘリ空母「いずも」は大型、遠洋、多用途の先進的軍艦であり、軽空母、強襲揚陸艦、対潜艦、指揮艦などの機能を兼ね備える。同級空母の就役によって海上自衛隊の対潜攻撃、強襲揚陸、遠距離兵力輸送など総合作戦能力が大幅に高まる。特に同艦は地上基地に頼らず遠洋軍事活動を行い、遠距離攻撃を実施することができ、遠距離展開と立体揚陸の作戦能力を備えるため、専守防衛型部隊から海上攻撃型部隊へと発展し、日本の世界的な軍事干渉能力を高め、軍事的冒険を行う可能性を高める。
第3に、日本が第2次大戦時の悪名高い中国侵略軍艦の名を用いて新たなヘリ空母を命名するとは、全く何を企んでいるのか分らない。「出雲」は日本の装甲巡洋艦で、日露戦争に参加した。全面的な中国侵略戦争の発動後は、中国侵略艦隊の旗艦として、黄浦江上に長期停泊した。日本が侵略戦争に参加した旧艦の名を「復活」させるとは一体どういう意味なのかと、かつて日本にさんざん侵略されたアジアの人々は問わずにはいられない。おおかた、戦犯の位牌を靖国神社に祀るのと軌を一にするのだろう。
実は安倍氏の政権復帰以来、日本は軍拡の歩みを明らかに加速している。「外向性」の「積極的平和主義」を柱とする国家安保戦略を制定し、あらゆる手を尽くして集団的自衛権の行使容認を図り、「防衛計画の大綱」「自衛隊法」「武力攻撃事態法」など関係する法律を改正し、3年連続で軍事費は過去最高となり、攻撃的武器の発展に力を入れている。長年の漸進式拡張を経て、日本の軍事力はとっくに自らの防衛の必要を越えている。日本はこうした漸進的手法で「平和憲法」の制約と日本国民および周辺国の心理的防御線を徐々に突破し、最終的な「空母の夢」の実現および攻撃的軍事力の発展に向けた基礎を固め続けている。