中国の外交関係が厳しい情勢を迎えており、中国人は日本に対して反感を抱くことがある。中日の組織が2014年9月に実施した「第10回日中共同世論調査」の結果によると、日本に対して良い印象を持つ中国人は11.3%のみだった。中国人の57.3%は、主に第二次大戦の歴史や中日の領土問題により、2013年より日本に対する印象が悪くなったと回答した。米ビジネスウィーク誌(電子版)が報じた。
中国人は日本に反感を持っているが、中国人客が日本旅行に殺到している。2014年の訪日中国人客数は、前年比83%増の240万人に達した。日本政府はこのほど中国の領事館に職員を追加派遣し、激増する訪日ビザの申請に対応すると発表した。
中国人の旅行計画が、政治的見解による影響を受けていないように見えるが、これはなぜだろうか?中国人はショッピングを主な目的としているが、より正確に言えば、彼らは海外でのショッピングに「やみつき」になっている。中国で時に商品の安全問題が生じ、偽造品が市場に流入していることから、中国人には出国後にショッピングに熱中する傾向がある。中国人客は2014年だけでも、海外で1640億ドルを消費している。彼らは世界で最も気前の良い、「ホリデー消費者」になった。
中国の消費者の間で、日本の人気が高まっている。訪日中国人客の2014年の消費額は、前年比10.3%増の1人平均2000ドル弱に達した。中国の春節(旧正月)期間中の消費額は、約10億ドルに上った。中国資本傘下の免税店・ラオックスの株価は、業績好調を理由に2012年より1400%も高騰している。ラオックスは訪日中の中国人客の需要を満たした。
中国人客が日本でショッピングに熱中する原因には、いくつかの原因がある。まずは円安だ。それに加え日本は昨年、ビザ発給要件を緩和している。他にも中国では、贅沢品に高い税率が掛けられている。しかし最も重要な原因は、日本製品が中国で誇る高い評価だ(特に日本製の家電)。例えば今年の「訪日中国人客のおみやげリスト」には、高額ではあるが特色あるウォシュレット(洗浄、加熱、音楽再生などの機能を持つ)が含まれた。
力強く発展する観光業と両国の貿易が、中日関係を損ねることはない。しかし中国人客と日本の免税店の店員が結んだ友好関係が、両国の外交・文化の和解を促したとする根拠は示されていない。人々はこれに過度に期待するべきではない。パスポートを持つ中国人は全人口の5%のみで、しかも国全体を代表できないからだ。
しかし日本を訪れたことのある中国人客の経験を見ると、ナショナリズムは一度の楽しいショッピングにより和らげられることもあるようだ。中国の日増しに強まる海外旅行ブームが、両国の開放と寛容を促す力に変化するかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月30日