中国の創業者、日本の「匠の精神」を学べるか?

中国の創業者、日本の「匠の精神」を学べるか?。 日本企業が世界から好評を博する有名商品(最終製品、中間製品を含む)を作り出せるのは、この恒久の「匠の精神」によるものだ。筆者は日本のバイト用チップを製造する中小企業を視察したことがある…

タグ: 創業者 技術 未開発 商品

発信時間: 2015-03-30 16:49:03 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

李克強総理は先ほど、2015年政府活動報告の中で、「創客」(ITを基礎とするベンチャー企業の創業者)という言葉を使用した。経済学の角度から見ると、政策の支援を受ける中国の創業者たちは、「既存の需要」と「未開発の技術」の間に存在する矛盾の解消を着眼点とし、新たな商品・サービスを積極的に開発することができる。また「まだ存在しない需要」と「既存の技術」の間の矛盾の解消を着眼点とし、既存の商品・サービスの特異性を発掘・利用し、新たな市場を開拓し、新たな生活の需要を創り出すことができる。

しかし同じ「既存の需要」を満たす商品・サービスであっても、どれほど需要を満たせるかという水準には大きな差がある。これは注意すべき問題の一つだ。消費者は常に、より高い水準で需要を満たしてくれる商品・サービスを求めようとする。ショッピングのため訪日する中国人客が激増しているが、これは一つの問題を示している。中国人が日本で購入しているのは、立派な「ハイテク製品」などではない。これらの日本製品は、技術的には特に変わった「重大な革新」を成し遂げておらず、非常にシンプルであると言えるほどだ。メーカーは消費者の立場になり、着実に市場調査を行っている。メーカーは生産現場を重視し、苦しい研究を地道に続け、「一品入魂」という精神を発揮し、商品の品質にこだわり、さらに「良い商品」を作る過程と結果から大きな喜びを得ようと努力している。これは日本製品が消費者を引きつける真の理由だ。日本の専門家はこのような精神を「匠の精神」と呼び、「良い商品」を作るため数十年間に渡り「技」を磨き続ける中小企業を日本の「国宝」と呼んでいる。

日本企業が世界から好評を博する有名商品(最終製品、中間製品を含む)を作り出せるのは、この恒久の「匠の精神」によるものだ。筆者は日本のバイト用チップを製造する中小企業を視察したことがある。この会社は1930年代末創業で、金属製ボールペン用のバイトを作っていた。彼らはその後「カット」という字に魅入られたかのように、薄型で丈夫なバイト用チップを作り続け、紙よりも薄いチップを作り出した。一列に並べられた数十枚のチップは毎分3万回のペースで回転することで、シリコン単結晶をカットし数百枚のウエハーにし、髪の毛の数分の一の隙間しか残さない。これらの「小型チップ」は、携帯電話、パソコン、ソーラーパネル、ミサイルに不可欠な半導体チップだ。

我々は人々の既存の、未だ満たされていない需要を満たす、さらには新たな需要を生み出す「創客の理念」を打ち出すことができる。その他にも、既存の、もしくはすでに創造された新商品・新サービスを磨き上げる「匠の精神」を提唱することも可能だ。中国の持続可能な発展は、「創客の理念」と「匠の精神」を共に活用する必要がある。(筆者:馮昭奎 中国社会科学院名誉学部委員、中国中日関係史学会顧問)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月30日

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