アシュトン・カーター米国防長官は昨日、日本から韓国に移った。双方はTHAADミサイルの韓国配備問題について協議すると予想されている。韓国側はカーター国防長官の訪問と同ミサイルの関連性を否定している。米国は今回の訪韓で、「要請しない」「協議しない」「決定しない」という態度を示すことになる。これは韓国が中国の受ける印象を懸念しているからだ。
アジアで現在最もホットな話題は、アジアインフラ投資銀行(AIIB)と「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)だ。カーター国防長官はこの時期に訪問し、大きく咳をすることで、米国の軍事同盟国に対する威厳を示そうとしているかのようだ。カーター国防長官は日本側と共に、米日防衛協力のための指針の見直しを加速し、自衛隊の縛りを緩めると表明した。双方は釣魚島、南中国海についても協議しており、その多くは中国に向けられている。
中国は現在、軍事に関する話題を取り上げることが最も少ない。中国の軍事費が増加し、軍事力が拡大しているが、一帯一路やAIIBといった経済ルールの方が目立っている。その中国にとっての象徴性は、新たに建造される空母やステルス戦闘機を上回る。日本は近年、集団的自衛権の行使容認を騒ぎ、指針を見直し、靖国神社の参拝問題を起こしているが、アジアと世界に刺激的な経済発展計画をもたらしたのだろうか?
日本は現在、完全に地政学の袋小路に陥っている。日本から見ると、現実的な安全の脅威と危機の他には、潜在的な脅威と危機しかない。しかし米日の発想は間違っている。アジアには、彼らと戦争しようとする国はない。彼ら自身も、武力により問題を解決する勇気があるわけではない。指針をいくら調整しても、両国の21世紀に対する自信を補う処方にはならない。
米日がアジア太平洋で直面している問題は、両国の安全体制における多くの不備によるものではない。米国にとっては軍事力の調整や同盟関係の強化が最も容易かつ便利であり、日本にとっても政治の突破で最も容易に足がかりを見つけられるため、両国はこれに取り組み中国の台頭との「バランス」を取ろうとしているのかもしれない。しかし中国はアジアと世界を見据えた協力とウィンウィンの道を歩んでいる。中国はAIIBを提唱し、伝統的な地政学的手段の効果を失わせる。米日は反省すべき時が来た。
米国による西太平洋の軍事同盟関係の強化・拡大は、時代の流れに逆行している。日韓豪などの国もこの面で米国に追随しているが、そのうち最も必死に追随している日本は米国を「国際社会」としている。しかし日本の孤立が、すでに明るみに出ようとしている。日本が米日同盟から得るものは、中国との対立によって被る損失を下回っている。韓豪と比べ、日本はやや「変人」じみている。米国のアジア太平洋リバランス戦略は、日本などの国をどれほど孤立化させるだろうか?これは興味深い未知数だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月10日