ドイツ北部リューベックで開かれた先進7カ国(G7)外相会合は先ほど、南中国海と東中国海の情勢に関する前例なき「海洋安全宣言」を発表した。情報によると、日本はこの宣言の発表に向け、苦心惨憺したという。少し分析を加えるだけで、この措置には経済・軍事・外交の意図が含まれており、日本が「一石三鳥」を狙っていることが分かる。
日本はG7外相会合に「海洋安全宣言」の発表を促せば、「中国の脅威」を誇張し、中国との間に領土係争を抱える南中国海諸国の対立を煽り、「合理的根拠」を手にし南中国海・東中国海で中国を「挟み撃ち」する態勢を整えられることを知っている。こうすれば安倍首相の軍備回復を目的とする「積極的平和主義」をPRし、軍需製品の産業構造全体に占める比率を高めることで、「強い日本」を取り戻すことができる。
日本には経済・防衛の狙いがあるが、一国だけではG7加盟国に「海洋安全宣言」を共同発表させることは難しかった。日本がこの目的を実現できたのは、主に米国の「戦略リバランス」の改善にも同じ需要が存在するためだ。カーター米国防長官は先ほどアリゾナ州立大学で演説し、米国の「アジア太平洋リバランス」戦略が「新段階」に突入すると称した。カーター国防長官はこれまでの主張を繰り返したほか、「米国は最新型の武器の投資と開発を継続し、アジア太平洋に重点的に配備する」「米日韓同盟、およびその他のパートナーシップを強化する」と発言した。カーター国防長官は4月7日の訪日前、「最も広義的なリバランス戦略にとって、TPPの合意は空母を1隻追加することと同じく重要だ。TPPは我々の海外における同盟関係、パートナーシップを深める」と述べた。
米国が日米同盟を重視し、「南中国海の安全」を「接着剤」にするのは、これが米国のアジア太平洋における重大な利益と関連しているからだ。また米国の西側における同盟構造にも亀裂が生じつつあり、困難に直面している。例えば欧州の主な同盟国である英国、フランス、ドイツは「脱軍事化」に取り組んでいる。各国の軍事費は毎年減少しており、米国がNATOの防衛費に占める比率が73%に達している。米シンクタンク・ブルッキングス研究所のトーマス・ホワイト氏は、「NATOの継続は確定されているが、米欧関係の価値は今や絶えず疑問視されるようになった」と述べた。これとは対照的に、日本は軍備回復に取り組み、軍事費が毎年増加している。日本は集団的自衛権の行使容認、日米防衛協力のための指針の改定などで、米国の戦略的な需要に迎合している。
当然ながら、G7は決して「一枚岩」ではない。日本が中国との二国間関係を強化し続ける英国、ドイツなどの国を抱き込み、中国を牽制しようとする狙いが成功するかは、分析するまでもないことだ。そのため日本は他国の承認を得るため、「海洋安全宣言」に海賊取締や情報共有などさまざまな内容を盛り込んだ。しかしこれはかえって馬脚を現しただけだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年4月20日