米ビジネスニュースサイト「クオーツ」は4月2日、「米国が各国で軍事力を保持」と題した記事の中で、米軍の世界展開の状況を整理した。米国防総省労働統計センター(DMDC) から提供された資料によると、米国は世界の少なくとも74カ国に686の軍事基地を設けている。
海外軍事拠点は、米国の軍事戦略を示している。米国は近年、フィリピンやオーストラリアに軍事基地を新設しており、欧州の多くの基地の閉鎖を計画している。これらの調整からは、アジア太平洋や中国への重視が読み取れる。
海外の基地、米国の世界軍事戦略を支える
米国の軍事基地の管理・使用部門には、ワシントン本部、陸軍、海軍、空軍、海兵隊などが含まれる。これらの軍事基地は、次の3種類に分かれる。
(一)主要作戦基地。作戦の支援、駐屯、部隊の訓練が可能な整った軍事基地。米国が日本、韓国、ドイツなどの国に持つ大型軍事基地がこれに属する。
(二)前線の作戦基地。武器装備の保存、部隊の一時配備、緊急状況への対応に使用される軍事基地。米軍は2001年のアフガニスタン戦争の「不朽の自由作戦」、2003年のイラク戦争の「イラクの自由作戦」で、近隣諸国にこのような基地を設置し、作戦の緊急支援に使用した。
(三)安全協力基地。米軍に定期的なサービス、全面的な支援を提供する軍事施設で、駐留する米国の人員はごく少数。これは米軍が大規模な設置を予定している軍事基地の種類で、コストパフォーマンスが高い。
米国の海外軍事基地は主に、ハワイ基地群、グアム島基地群、北東アジア基地群、アラスカ基地群、東南アジア基地群、欧州基地群、中南米基地群などによって構成されている。これらの基地の設置は、米軍の度重なる軍事戦略調整の結果であり、現在の軍事戦略の重心の移転を具現化している。
米国がアジア太平洋回帰戦略を提唱すると、米軍は重心を欧州からアジア太平洋に転じ始めた。米国防総省は1月8日、欧州の15の軍事基地を閉鎖し、欧州の軍事力調整の一環とすることを発表した。英フィナンシャル・タイムズ紙は、米国はアジア太平洋の軍事力を密かに拡大していると報じた。新たに就任したカーター国防長官は4月10日に韓国のソウルを訪れた際に、最先端のステルス機やネットワーク作戦システムといった「最新・最高の武器」をアジアに配備すると明言した。
米軍が日韓に保有する基地群