米軍が日韓に保有する基地群
米軍のアジア太平洋における軍事力の構成において、日本と韓国の基地群による北東アジア基地群が重要な地位を占めている。この2つの基地群は宗谷海峡・津軽海峡・対馬海峡を支配し、米軍の朝鮮半島における地上作戦を支援し、西太平洋における海・空の作戦を支えている。これらの基地群は中国けん制の「第一列島線」を形成しており、米国の軍事力を最前線に配備する「橋頭堡」の役割を果たしている。
米軍は日本に計109の基地を持ち、約5万人が駐在している。これには30以上の中・大型基地、自衛隊と共同使用する42の基地が含まれる。これらの基地のうち、一部の海軍・空軍基地は中堅的な役割を担う重要な基地だ。横須賀基地は米海軍の西太平洋における最大の総合停泊施設、艦船修理・補給センターで、4隻の原子力空母と150隻の艦艇を収容できる。同基地には第7艦隊司令部、在日米海軍司令部が置かれている。
嘉手納基地は米空軍の西太平洋における最大規模の総合基地で、100機の大型爆撃機と150機の戦闘機を収容可能だ。同基地は戦闘機・大型爆撃機・大型輸送機の離着陸に使用される。同基地は米海軍の重要な航空基地で、米軍に「太平洋の礎」と称されている。
在日米軍は軍紀のゆるみにより、現地の市民から抗議を受け続けているが、米日両国は在日米軍の建設強化で意見を一致させている。これは両国の軍事同盟関係を示しており、また両国の外向き型軍事戦略の現実的な需要でもある。米軍は嘉手納基地にF-22ステルス戦闘機を交代で配備し、普天間基地に海兵隊のオスプレイ輸送機を配備している。これは米国の在日米軍基地への重視を示している。
米国が日本に持つ基地は海軍・空軍が中心で、韓国の基地群は陸軍が中心だ。韓国の基地数は計85で、うち65が陸軍基地。兵力は約2万8000人。米韓両国政府の計画によると、在韓米軍基地全体の大規模な統合を行い、最終的に「2大センター」「3大基地」を形成することになる。
「2大センター」はソウルから南に60キロ離れた「烏山ー平沢センター」と、韓国南部の「大邱ー釜山センター」。「3大基地」はソウルの竜山基地、漢江から北の総合訓練センター、群山基地。2015年に竣工予定の平沢基地の面積は1465万平方メートルに達し、米韓の4万4000人が駐留する世界最大規模の米軍基地になる。
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