フィリピンと豪州に基地を新設
米国は2010年の4カ年国防検討(QDR)報告の中で、「米国の前線の配備態勢および基地インフラの柔軟性を強化する」と表明した。これは米国が伝統的な中堅的役割を担う軍事基地の建設を強化するほか、さまざまな手段を通じて新たな軍事基地を建設するか、フレキシブルな海外派兵により恒久的な軍事基地の補充を行うことを意味する。そのため米軍は、東南アジアとオーストラリアを重視している。
米国とフィリピンは2014年4月28日に、10年間の新たな防衛協力強化協定を締結した。同協定は米軍によるフィリピンの軍事基地の使用、米軍のフィリピンにおける一時的な駐留の拡大を認めた。双方は需要に応じ、同協定の期限を延長できる。
米国は2012年4月4日に、オーストラリアに初めて約200人の海兵隊員を駐留させた。両国は昨年8月12日に駐留協定を正式に締結した。これによって約2500人の海兵隊員が、オーストラリア北部の都市ダーウィンに駐留できるようになった。両国は米海軍・空軍のオーストラリア北部における活動を認めるため、さらなる協力を模索する。双方は対外的に、この行為は長期的な同盟関係の「自然な発展」の結果であると称している。しかし米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、「米国の国防専門家は、オーストラリア軍事基地は、日本・韓国・グアム島の基地より中国から離れており、ミサイルの攻撃を回避しやすい利点があると判断している」と伝えた。米国はオーストラリアやニュージーランドの基地群に最前線から離れた基地群を形成し、日韓基地群を後方から支援し中国を包囲する「第二列島線」にしようとしている。
米軍のアジア太平洋への軍事力の配備は、今後長期間に渡り拡大される。これらのアジア太平洋に遍く配備された軍事基地は、その軍事的存在感により米国のアジア太平洋における戦略的影響力を強めるほか、同地域で米国に有利な軍事情勢を形成し、効果的にアジア太平洋に干渉することを促す。(筆者:王鵬 空軍工程大学)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月20日