20日付読売新聞によると、日米両政府が今月末にとりまとめる新たな日米防衛協力の指針の概要が19日、判明した。指針は日米の島嶼における防衛協力を詳細にしたほか、「南中国海を含むシーレーンの安全確保」も新たに盛り込まれた。日米は南中国海の共同監視を検討している。両国は「切れ目のない」連携を行い、「日米共同指揮機関」を常設することで、自衛隊と米軍の「一体化」を加速するとした。20日付韓国紙・文化日報は、米日の「蜜月同盟」の持続的な拡大が、地域情勢に深い影響を及ぼしていると論じた。
読売新聞は、「中国による軍備増強と威圧的な海洋進出を踏まえ、武力攻撃に至る前のグレーゾーン事態から島嶼侵攻まで『切れ目のない』日米連携を強化する」と報じた。両国は南中国海の共同警戒・監視を検討中だ。韓国KBSテレビは20日、「この内容は、中日の釣魚島(日本名・尖閣諸島)を巡る激しい対立を反映したものだ」と報じた。読売新聞は、「自衛隊の南中国海における活動の拡大が、中国から強い反発を受けることが想像できる」と伝えた。
清華大学現代国際関係研究院副院長の劉江永氏は20日、環球時報の記者に対して、今回の改定に関する特徴を次のように分析した。(1)中国対抗の色合いが濃くなった。(2)いわゆる日本の「周辺事態」を拡大し、周辺という概念を取り払った。つまり両国の需要に応じて、必要なエリアで共同作戦を展開できるようになった。これまでの「周辺事態」は、南中国海まで拡大されるとは解釈しにくかった。(3)かつて米国は「矛」、日本は「盾」だった。日本が憲法解釈を見直すと、状況に変化が生じた。新たな指針は南中国海で、中国に対する軍備を拡大する。また米国は日本と共に輿論戦を強化し、「ハード」と「ソフト」の両面から中国に圧力をかける。
指針の見直しは18年ぶり。共同通信社は20日、消息筋の話として、「日米は米国の核抑止力の維持を指針に盛り込む予定だ」と報じた。20日付朝日新聞によると、日米の協定内容に基づき、米国は防衛省の中央指揮所に、自衛隊は米軍横田基地に連絡員を派遣し、「日米共同調整所」を置く。自衛隊と米軍の「一体化」がさらに進むことになる。指針の内容によると、自衛隊と米軍の幹部が中心となる「調整メカニズム」を設置することができるが、今まで設置されたことはなかった。これは日本が直接武力攻撃されるか、「周辺事態有事」を前提とするからだ。日米は今後、平時も「調整メカニズム」を設置できるようになる。
20日付文化日報は、「これは米日軍事同盟が制度面でさらにレベルアップしたことを意味する」と報じた。韓国の政府筋は、「これまでの指針が、米国が一方的に日本を保護する性質だったとするならば、見直し後の指針は米日が助け合う形になる」と指摘した。日本の海外武力行使はこれまで、国内法のさまざまな規制を受けていた。しかし今回の指針見直しで、自衛隊は世界のどこにでも駐留できるようになった。読売新聞は、「今回の見直しは、最終調整段階に入った新安保法の内容を反映した」と伝えた。文化日報は、「安倍首相が歪んだ歴史認識を持つことから、米日同盟の性質の変化は海外から懸念されている」と報じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年4月22日