安倍首相が間もなく訪米日程を開始しようとしている。今回の訪米は、特殊な旅になりそうだ。
安倍首相の訪米は再任以来初で、米上下両院合同会議で演説する予定だ。今年は第二次大戦勝利70周年であり、また日本の侵略の歴史により中日韓の関係が冷え込み、悪化してから3年目の年でもある。北東アジアは歴史問題に長く煩わされており、中日韓首脳会談がこれを理由に中断されている。先ほど終了したアジア・アフリカ会議で、中日は首脳会談を実現した。これは中日関係の和解の兆しとされた。確かに未来志向になるため、中日両国は「前向き」になる必要がある。しかしこれは、安倍首相が歴代首脳の歴史問題に関する「談話」を継承することを前提条件とする。
中日首脳会談は、安倍政権にとって最大の外交の成果だ。米国政府もこれを歓迎した。これにより安倍首相は、訪米で肩の力を抜くことができる。しかし米上下両院合同会議の演説で、アジア・アフリカ会議の演説の立場を維持するのか、それとも村山富市氏、小泉純一郎氏の談話の精神を継承するのかが、まだ決断されていない。米議員25人が佐々江賢一郎駐米大使宛てに連名の書簡を送り、安倍首相が訪米中に村山談話と河野談話の歴史に対する結論について再言及し、「歴史を直視」することに期待を示した。
安倍首相がアジア・アフリカ会議の立場を維持すれば、国会議員、各メディア、民間組織は多くの厄介事をこしらえようとするだろう。米国で村山談話の立場に回帰すれば、機会主義の本性を示すことになる。こうすれば米国に対処できるが、中韓両国に対しては申開きができない。中日首脳会談の成果も失われ、中日韓関係を真の未来志向の軌道にのせることができないだろう。