安倍晋三首相は26日より、8日間の訪米を開始した。これは冷戦後の米日による「戦略的慣らし運転」の、新たな重要な活動だ。
米日の冷戦後の「戦略的慣らし運転」には2つの段階がある。第一段階は1991年のソ連解体に始まり、第二段階は2001年の911テロに始まる。米日の「戦略的慣らし運転」は、冷戦後の第三段階に入った。経済のグローバル化、世界の多極化の急速な到来、新興諸国の台頭により、米国の比較優位が弱まり、国際秩序が重要な調整段階に入った。この段階において、米日の戦略的目標はより幅広く多元化し、経済・安全・意識などの各分野に跨るようになった。こうして米日の「戦略的慣らし運転」がより複雑になっている。
米日の経済面の重要な共通目標は、アジア太平洋経済の重心の中国への傾斜の防止だ。アジア太平洋諸国は中国に対する経済的な依存を強めている。これによりアジア太平洋の米日主導の経済秩序に変化が生じ、アジア太平洋の安全秩序にも重要な影響が及んでいる。これにより米国は、TPPの早期締結を急いでいる。しかし米日はアジア太平洋における、経済競争を無視できない。日本国内ではTPP加入の問題を巡り、「戦略派」と「実益派」に分かれている。前者は米国と協力しアジア太平洋の主導権を握り、問題を処理することを重視している。後者は日本の農業や自動車製造業などの実益の保護を重視している。双方の対立により、米日のTPP交渉が現在も終了していない。安倍首相は今回の訪米で、同問題について米国と再び駆け引きすることになる。