これほど実り多き安倍首相の訪米に対して、米国にどのような矛盾があるというのだろうか?
当然ながら、安倍首相にも自分の計算がある。米国がアジア太平洋リバランスに取り組む中、日本はこれに追随することで、米国のアジア太平洋における重要な「支え」になれる。さらには「国の正常化」の野心を、米国のアジア太平洋戦略に結びつけようとする勢いを見せている。安倍首相は集団的自衛権の行使容認、平和憲法の改定、「強い日本を取り戻す」という願いの実現に向け一歩ずつ前進している。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)の加入によって、英国を含む多くの古き盟友が米国に背いている。米国にぴたりと追随しているのは日本のみで、鉄のような忠誠心を示している。米国がやや孤立し、日本の翼が丈夫になりつつある現在、安倍首相は米国との関係を「親子関係」から「兄弟関係」に変える十分な力があると感じているのかもしれない。
米国がこれらのことに気づかないはずがない。しかし利益を目の前にして、余計なことを考えてはいられない。本当に米国の国益が損なわれるようなことがあれば、米国は同盟国に容赦しないだろう。当時のプラザ合意がその最も分かりやすい例だ。
あの手この手で確固たる日米同盟を世界にアピールしようとしている日本に対して、米国が困惑することはあるだろうか?
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月1日