日本の安倍晋三首相は8日間の訪米の最中だ。安倍首相の訪米に対して、米国は矛盾した態度を示していると指摘する声もある。米国は安倍首相を手厚くもてなし、日本に対する重視を示しているようだが、その一方で米国の一部の議員・メディア・専門家が声を上げ、日本に対して歴史を直視するよう促しており、あたかも日本に圧力をかけているようだというのだ。ある人は、これは米国が日本という「駒」を活用したいが、人々の怒りを買うこと、またこの「駒」が制御を受けなくなることを恐れていると分析している。
米国の日本に対する態度は矛盾しているだろうか?答えは「ノー」だ。米国の出発点は、常に「国益」のみだ。
安倍首相の訪米の主な目的は、米国との貿易・防衛協力の強化だ。これは米国からすれば、望ましいことだ。
米日両国政府は27日午前にニューヨークで外務・防衛担当閣僚会議を開き、「日米防衛協力のための指針」を改定した。双方は自衛隊と米軍の協力範囲を世界に広げ、平時から不測の事態に至る「切れ目なき」協力を宣言した。韓国メディアは、「米日軍事同盟は正式に北東アジアの同盟関係から、米国のすべての対外軍事戦略に支援を提供する世界的な戦略同盟にレベルアップした」と指摘した。日本は米国がアジアに持つ、代わりの戦闘力になろうとしている。
近年、特に金融危機後、米国の実力が相対的に低下しており、世界戦略を縮小させる姿勢を示している。米国は同盟国に軍事費を増やすよう促し、同盟国との協力を強調している。日本が資金と力を提供したがっているのだから、米国にとっては願ったり叶ったりだ。
オバマ大統領はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を、優先検討事項としている。米日は12のTPP加盟国の経済規模の約8割を占めている。米日が市場参入を巡る交渉で一致するか否かは、TPP交渉全体の前進を促す重要な要素だ。安倍政権が日本の農業・自動車市場の開放に関する国内の政治的圧力を処理できれば、米国は自ずとこれを歓迎するだろう。
また米国は訪米した安倍首相を重視することで、その他の同盟国に「恐れるな、米国はあなたたちを見捨てない」というメッセージを送ろうとしているかもしれない。