「国際社会はニュルンベルク裁判を熟知しているが、一般人および研究者の東京裁判に対する認識と学術研究には、大きな空白が残されている。東京裁判という重要な資料は象牙の塔に留めるだけでなく、より多くの人々に理解させ、東京裁判の研究をより深く着実なものとするべきだ」と強調した。
読者の感想 「歴史の抹消を許さない」
この大著の正式な出版に、極東軍事裁判に参加した中国の裁判官、梅汝璈の長女である梅小侃氏は、興奮を隠しきれなかった。梅氏によると、父の梅汝璈は生前『極東軍事法廷審判』の執筆を試みたが、ついに完成しなかったという。
梅氏は、「過去の苦難を忘れれば、未来の災いを招く可能性がある。私はこの法廷証言を出版し、歴史の真相を世間に伝えることは、民族の福音であり、東京審判を批判する声に対する最も有力な反撃だと強く感じている」と感嘆をもらした。
東京裁判の53巻に及ぶ鉄の証拠の内容は膨大だが、中国人の民族的感情の琴線に触れる。1990年代生まれの多くの学生は、上海交通大学の微博(ミニブログ)公式アカウントにメッセージを残し、支持を表明している。あるネットユーザーは、「30歳までに図書館で全巻読破する」としており、一部の読者は「歴史の抹消を許さない」と感想を記している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年5月11日