次に、仙台市で開かれた防災会議で議決された「国際的防災指針」は、福島原発事故に一言も触れなかった。こうすれば批判を避けられるが、被災地で会議を開いた意義が失われた。日本は原発の現状について説明せず、原発の存続問題について議論を続ける国に参考を提供しなかった。事実上、国際原子力機関が5月14日に発表した報告書によると、福島原発の現状は依然として極めて複雑だ。例えば2号機原子炉建屋屋上にたまった雨水が、排水路を通じて外洋に流れ込んでいる。この雨水は、放射能に汚染されている。しかしこの問題は先ほどの一連の事故と同様、親会社の東京電力によって隠蔽された。福島原発が今後、周囲に放射能汚染物質を排出しないとは、誰にも保証できない。
さらにメディアの報道によると、今年3月下旬に台湾向けに輸出された日本の食品が、産地偽装のシールが貼られた福島県産の食品だったことが判明した。中国台湾はこの影響を受け5月20日より、日本の農産物の輸入を一時的に全面停止した。記者は日常生活において、日本政府が被災地産の農産物が基準を満たすことを繰り返し宣伝してはいるが、一般人の多くが福島県や周辺各県の農産物を購入したがらないことを実感している。これらの商品の放射線量が基準を超過しているとは限らないが、日本人でさえ嫌だと感じるものの産地を偽装し他国・地域に輸出するとは、これがいわゆる被災地復興のやり方なのだろうか?
本当に被災地を復興させるためには、日本は責任の重い仕事を避け、話をすり替え、自分で自分を欺くのではなく、現実を直視しなければならない。(筆者:朱超 新華社駐東京記者)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年5月25日